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〈レポート〉リノベーションからまちづくりへ〜「司3331」プレオープントークレポート

2016.07.15

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 3331クリエイティブ・オフィス「司3331」プレオープン記念トークイベントレポート
 〜住み、働き、生きることのリノベーション〜 ゲスト:嶋田洋平/モデレーター:中村政人

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6月29日に晴れてお披露目となったアーツ千代田 3331のクリエイティブ・オフィス
「司3331(つかさ さんさんさんいち/愛称・つかさん)。
3331Arts Chiyoda から少し離れた神田司町の3階建てのビルを丸ごとリノベーションした施設です。

この記念すべきお披露目の日に、建築家の嶋田洋平さん(らいおん建築事務所)さんが
トークゲストとして来てくださいました!

ダイジェスト映像はこちら


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嶋田さんはらいおん建築事務所の他に、北九州家守舎、リノベリング、都電家守舎などの代表取締役を務めながら、
リノベーションスクールというプロジェクトの代表も行っているという、笑顔がすてきでとてもエネルギーに満ちあふれた方です!

そんな嶋田さんが出身である北九州市での活動から現在まさに取り組んでいる横浜でのプロジェクトまで、
過去5年間にわたるまちづくりとリノベーションの事例を紹介してくださいました。

テーマは「専門家/実践者と語るリノベーションによる社会課題の解決の可能性」

話の始まりは約60年前の八幡製鉄所があった時代の北九州市。
当時はその発展が人々の誇りとなっていたようですが、その後公害に悩まされていったとのこと。


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「技術的にきれいな空や、海は戻ってきたけれど、それで本当に解決したことになるのだろうか?」

そんな問いが嶋田さんの中にあったそうです。
またその地域は、その後ゆるやかな人口減少に陥り、空き家や空きビルがどんどん増えたことが問題となりました。
そして2010年、北九州市がアーツ千代田 3331の代表でもある清水義次をプロデューサーに招き、
遊休不動産(使われなくなった空き家、空きビル)の活用と雇用を生み出そうというプロジェクトが立ち上がったそうです。


(以下、嶋田さんの資料より)

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15年間空き家になっていたこのスペースが... >>>>> 事業者が7組入るシェアオフィスに!


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再建が断念された火災跡地を... >>>>>>>>>>>> オープンテラスのイタリアンバルに!
こんな開放的なオープンバルが近くにあったら毎日通ってしまいそうです。

このようなプロジェクトの結果...

なんと4年間で新規雇用が385人もあったのだとか!

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さらにこの全体の取り組みを通して商店街の歩行者通行量が増加し、まち自体のにぎわいが増したというお話も。

嶋田さんのお話の中でとても興味深かったのは、建築家という肩書きながら取り組んでいる内容はとても多岐にわたっているということ。
その中でも不動産オーナーさんたちと掛け合い、使われていなかった場所を新たに息吹かせて、
そこでやる気のある魅力的な人たちが働けるようにするという「家守」としてのお仕事は大変興味深いものでした。


その後は現在取り組まれている横浜・伊勢佐木町でのプロジェクトのお話。
伊勢佐木町の歴史そのものとも言える、築90年になる伊勢ビルの地下1階にある空間を
プロジェクトメンバーの一人としてリノベーションしているそうです。

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地下特有のクールな空間。
この空間と運営会社の名前は「THE CAVE」。この洞窟のような空間から会社の名前もきているんですね。
今後アートを軸にした半公共空間としてオープンするそうで、コワーキング・スペースを併設し、
アーティストやクリエイターが滞在する拠点となるとのこと。
オープンが待ち遠しいですね!

また、THE CAVEさんと面白い試みを行っているバルの名前はなんと「333(さんさんさん)」!
聞き役の中村も縁を感じずにはいられませんでした。

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「333」さんは農家さんと直接取引をすることで、農家さんに最大限の利益を生み出し、
さらに新鮮な野菜をお客さんに届けるというやり方をしているそう。
いろんな角度から社会課題の解決の切り口が見えてきます。


嶋田さんは最後に、

一つ一つのプロジェクトは小さいものだけど、僕は塵もつもれば山となるというのを信じている。
ある明確な意志を持って、そのプロジェクトを進めていくと、連携してくれる人たちがでてきて結果的に
大きくまちを変えていくんだろうと思います。

と語っていました。

司3331も小さな場所ではありますが、ここに入居する人たち、神田司町のみなさん、
そして外からやってくる人たちも巻き込みながら、活気あふれる面白い場所になっていければいいなと思います。

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嶋田さんのトークを聞いた参加者のみなさんは、「すごいものを聞いてしまった!」と
興奮覚めやらぬ様子でその後も遅くまで歓談されていました。

大変ご多忙な中、貴重なお話をしてくださった嶋田さん、本当にありがとうございました!!


平山(コマンドN)

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